WordCamp Kyoto2017の参加者パスのデザインとコンテキスト
少し時間が空いてしまいましたが、6月に行われたWordCamp Kyoto 2017の参加者パスについて書いておこうと思います。
参加者パスとパンフレットに感じていた疑問
大抵のイベントでは参加者パスは首から下げるもの、パンフレットはA4というものが多く、毎回それが疑問でした。
「タイムテーブルを何回も見るのに、なぜいちいちカバンに入れて出してを繰り返さないといけないのだろう…かといってサイトに行くのも面倒だしもう少し手軽に見る方法はないのだろうか…」
そんな時に2016年のWordCamp EUに参加し、参加者パスとタイムテーブルが一緒になっているのを見て「求めていたのはこれだ!」と思いました。
調べてみると、あまり日本では見なかったのですが海外の他のカンファレンスなどでもパスは首から下げているものが多いようです。
左がWordCamp Polska(ポーランド)、右がWordCamp EU。ネックストラップ外してしまっていますが利用法とも首から下げるタイプです。
その時には次の年に自分がデザインチームのリーダーを担当するとは思っていなかったのですが、実際に自分がリーダーになった時はティザーなどのデザインよりも先に「参加者パスをパンフレットと同じにして、首から下げるタイプにしたい」という考えが浮かびました。
コンテキストについて
UXを構成するもののひとつに「コンテキスト」という概念があります。
コンテキスト=「文脈」と言われることが多いのですが「状況」「環境」と考えた方がしっくりくることが多いので以下の文では「状況」や「環境」に置き換えて考えていただければと思います。
今回、参加者パスを作成するにあたってコンテキストを考えてみました。
■6月末の京都なので薄着(なので冊子をポケットに入れたりしにくい。)
■PCを持っているのでリュック、もしくは大きめのバッグを持っている
■タイムテーブルは何度も確認する
■Wi-Fiは支給されていない
■人が多い中にいる
■移動が多い
これをもとに、少し深読みして使われる状況を考えると
タイムテーブルは1日に何回何回も見るものなのに、いちいちリュックから出すのは面倒です。
かといって手に持っているのも邪魔。
首から下げていればスマホで確認するよりも断然早く快適にタイムテーブルを確認することができます。
出来上がった参加者パスのデザイン
(薄汚れているので小さい画像で…)
受付スタッフで「印刷ミスじゃ…?」とざわめきがあったそうですが、表紙と中身を逆向きにしています。
首から下げたままパンフレットの内容を見るためです。
以前参加した他のイベントでは表紙と中身が同じ方向だったので、わざわざパンフレットを回転させないと見れませんでした。でもこの作りなら首から下げたままでOK。
首から下げた時に丁度名前がまっすぐになるように、表紙のデザインが斜めになっているのもポイント。@ixkaitoさんの案です。さすが。
まとめ
今まで他のイベントに参加して「不便だなーこうだったらなー」と思っていたことを形にしてみた結果、かなり使いやすいデザインになりました。
実際に何人もの方に「パンフレット、見やすいし使いやすいね」と言っていただけたのですごく達成感がありました。
すごく当たり前の話なのですが、使い方や背景、その場の状況を想定して見た目だけではない使いやすさをデザインするということは大切ですね。
あ、この中に出てきたコンテキストやユーザビリティについて学ぶワークショップを、9月の30日(土)と10月1日(日)に開催するので、もし興味がある方がいれば是非ご参加ください。
■9/30(谷岡学園/グランフロント大阪)
http://peatix.com/event/296256/
■10/1(TAM大阪)
http://peatix.com/event/297137/
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