UX,  ユーザビリティ

韓国出張で考えたユーザビリティ

6月の中旬に、済州島(チェジュ島)という韓国にある島に仕事で行ってきました。
私は理由あって成田からだったのですが、日本から大体2時間。韓国のリゾート地だそうです。

その済州島にある神話ワールドという、ホテル・カジノ・遊園地などが一緒になっている複合施設でのイベント参加が今回の仕事でした。
今回ユーザビリティについて色々考えるところがあったので書いてみようと思います。

済州島住民の英語・日本語について

韓国は10年ぶりくらいで、以前訪れたのはソウルでした。なんとなく英語や日本語が通じるイメージはあったのですが、今回訪問した済州島は英語も日本語もほとんど通じませんでした。

まずホテルに到着し、ゴミ箱を探していたのでホテルの方に「ゴミ箱はどこですか?」と英語で質問したところ全く通じず、「Trash」「Garbage」と単語だけ伝えても駄目でした。

試しに日本語で聞いてみたところ「日本語わかりません」と返されました(私が日本語を話している、ということはわかった様子)。
ホテル勤務=英語ができるという勝手なイメージがあったので少し驚きました(カウンターの方は英語ができました。)。

その後、施設内のフードコートやお土産屋さんに行ったのですが、看板やメニューには英語・日本語が併記してあるものが少しはありましたが、英語や日本語を話せる方は1割くらいだったと思います。

ハングル文字が読めないためウオシュレットで戸惑う

今回一番戸惑ったのはトイレのウオシュレットのボタンでした。

韓国のホテルのウオシュレットボタン

一番左がウオシュレットの停止ボタンなのですが、日本のウオシュレットだと四角い停止マークがほとんどだと思います。
私は最初にこのボタンを見た時に見慣れないマークだったからか、「禁止」のような強さを感じました。
「/」が入っているとなんだか強さが増す感じがしませんか?(私だけでしょうか)

「このボタンを押すとどうなるんだろう」
「このボタンを押すとブザーがなって従業員さんが駆けつけてきてしまうのでは…」

という不安を感じました。

これをツイートしたところ、今年のUX DAYS TOKYOに登壇してくださったGoogle社のAbiさんからも反応が。

余談ですがAbiさんは今回の来日して感じた日本のユーザビリティや文化をツイートしています(興味深いので一見の価値ありです!)。

今回のボタンは日本のものとなんとなく位置が近いのもあり、水を流したりはできましたが(それでもそれ以外のボタンはあまりわからない)、ウオシュレットが一般的ではない国だとどのボタンを押せばいいのか戸惑うかもしれません。

水を入れるだけの機械でも戸惑う

フードコートで食事をする際、水はセルフサービスでした。
同行したパートナーに「お水の入れ方がわからないからちょっと来て!」と言われたので行ってみると確かにわからない…(表記は全てハングルでした)
初めて触ってみた時の動作を録画してみました。

人はボタンが光っていてなんとなく押せそうな見た目をしている場合、押してしまうんですね…。

結局機械のボタンを押すのではなく、水の出る部分の奥にレバーのようなものがありました(よくドリンクバーなどである、コップをぐっと押すと出てくるタイプです)。
コップがペラペラだったため、コップを手にしたまま奥にぐっと入れるという動作が思いつかなかったです。

水がでた瞬間

何をすればいいのかがどこかに書かれているか、絵で表現されていたら使用法がわかったと思います。

インフォグラフィックスの重要性

これまで述べたもの以外でも、ハングルが読めないため理解できないものが多くありました。
日本語訳が書かれていても、日本語訳がめちゃくちゃなため英語で読んだ方がわからないこともありました。
そんな中、助けになったのがインフォグラフィックスです。

スタバのインフォグラフィックス

スタバの前に貼ってあったものですが、ひと目で何が言いたいのか伝わりました。
これは単純な内容だったのもありますが、もし「食べ物禁止」の食べ物がサムギョプサルのような現地の食べ物だったら理解できなかったかもしれません。
トイレやエレベーター、買い物ができる場所、両替などインフォグラフィックはあって当たり前なのかもしれませんが当たり前だからこそのわかりやすさが重要だと感じました。
トイレの中のボタンも、流すボタンなどがもう少しわかりやすかったら…と思います。

ハングルがわからなかったこそ気づいたこと

今まで海外といっても英語圏、英語が話せる人が多い場所に行くことが多かったので、単語を検索すればなんとか理解できました。
今回はハングルが全くわからず、検索もできなかったので(どう検索していいかわからなかった)インフォグラフィックやモノの見た目で何ができそうかを想像しました。
日本に来る海外の方も同じような経験をしているのかもしれません。
以前温泉マークが日本以外で理解してもらえないという記事を読んだことがあるのですが、やはり国内で通用するわかりやすさ=海外でも通じるという訳ではないと思います。
色々な国の人がいて100人全員が完璧に理解できて使えるものと考えると難しいかもしれませんが、モノの形やデザインで少しは近づけると考えました。
2020年のオリンピックに向けて、もしかしたらこういったことを考える機会が出てくるかもしれません。
インフォグラフィックスについてもより深く学んでみようと感じました。

番外編

日本語対応していると書かれていたATMを発見したので試しに操作してみました。
途中でハングルや英語に切り替わったり、日本語が崩壊していて興味深かったです。

施設の自動ドアです。
真ん中もドアなのですが、マットが置いていない・点字がない・ドアに出っ張りがないというだけで真ん中もドアだと気づくのに時間がかかりました。

自動ドア