デザイン

カイシゼミ「有馬トモユキのデザインプロセス」に参加しました

少し前の話ですが6月17日に東京造形大学で行われた、有馬トモユキさんをゲストに迎えたカイシゼミ特別公開授業「有馬トモユキのデザインプロセス」に参加してきました。
(ちょうど北海道に行くタイミングだったのでその帰りに東京に寄りました)

有馬さんは『アルドノア・ゼロ』や『Re:CREATORS』などのアートディレクションをなさっている方です。
私は普段、二次元系のデザインをすることが多いので、「何かしらの参考になるかな?」と思いふわっと参加したのですが、二次元系だとかそういう次元の話ではなく仕事をする上でとても影響を受けた3時間でした(本当にあっという間で、気づいたらノートにメモがびっしり)。

全体を通して感じたのが「細部へのこだわりと一切の妥協を許さない姿勢」でした。

・デザインガイドを作り、細かくルール付けをする(デザインガイドも見せていただいたのですが、アニメのサイトであそこまで細かくデザインガイドが作られているものって無いのではと思います)
・一貫したものを作るためにメディアを横断してトータルプロデュースをする
・数秒しか映らないものにも時間をかけてデザインする(コックピットのデザインや架空のサービスのアイコン・ロゴ・UIなども全て作る)。UIのリサーチも徹底的にする。どこまで見られても平気なものを
・1pxのズレも許したくないので円盤のパッケージはCGで作る

などなど。
箇条書きにしてしまうとちょっと伝わりにくいかもしれないのですが、作られているものの全てが、デザインの粒子で作られているようなイメージでした。
一つひとつの要素がすごく作り込まれていて、その作り込まれたものが合体してひとつの統一された世界観を創り上げているという印象。

有馬トモユキさんご本人のブログ「とあるデザイナーがアニメーション作品のデザインをするようになった話
でもそういったことを書かれていました。

全体を通して「有馬さんの考え方、すごく好きだなー」と思って聴いていたのですが、最後の質疑応答で「考え方などのルーツがあれば教えて下さい。」という質問に対し、「ハッカーと画家」というプログラマーが書いた本を挙げていたのでなんだか納得。

講義の後、もっと考え方を知りたいと感じたので「いいデザイナーは、見ためのよさから考えない」を購入して読み始めました。単純に読み物としても面白い。